Extreme Platform ONE™におけるAIの構築:パッチワークではなくプラットフォームを構築した理由

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IT業界に限らず、あらゆる業界で新しいAIシステムについて語られていますが、AIはすべて同じではありません。既存のシステムにAIを追加してイノベーションと呼ぶという安易な道を選んでいる企業もありますが、Extreme Networksでは異なるアプローチを採用しています。私たちは、ITチームとネットワークの関わり方を根本から再考し、真のAI中心のプラットフォームとしてExtreme Platform ONEとそのAI機能を構築しました。このプラットフォームの誕生にあたり、単なるAIアシスタントではなく、ネットワーク運用に変革をもたらすシステムを構築するにあたっての難しい決断、技術的なハードル、そして学んだ教訓について当社のAIリーダーであるMarkus Nispelに話を聞きました。

大きな決断:構築か、それともボルトオンか?

当初、チームには選択肢がありました。既存のシステムにAIをボルトオンするか、それともAIを第一に考えるという考え方で新しいものを構築するか?最初の選択肢は魅力的で、確かに迅速かつ容易に実現できるでしょう。しかし、それは表面的なものであり、AIの能力を制限することにもなり、私たちがAI活動で目指している、Extremeが提供するあらゆる体験を真に変革する、という使命を果たすことはできないでしょう。私たちは、AIが普及する時代に向けたプラットフォームを構築しなければ、将来的に可能なことを自ら制限してしまうことにすぐに気づきました。

そこで、ワンステップ後退して、私たちが(AI主導の)イノベーションを評価するために使用している ARCフレームワークを適用しました。 最初のステップは加速化でした。AIを使用して既存のワークフローを最適化し、スピードアップすることで、人間の効率性を高めるのです。これだけでも価値のあることでしたが、さらに先へ進む機会があることに気づきました。次の目標は置き換え、すなわち、ITチームが当社のシステムとやりとりする方法を再設計することでした。これにより、AIは単なるツールではなく、日常業務の不可欠な一部となります。AIの能力を念頭に置いてワークフローやプロセスを見直し、時間を要する手作業から解放して、より価値の高い業務に集中させるのです。

そして、ここからが本当にやりたいことです。それは、新しいビジネス価値の創造と、新しい差別化された体験の提供です。AIは、同じことをより速く行うことだけを意味するものではありません。AI以外では不可能な、まったく新しい働き方を可能にするものです。私たちは、AIを、モバイルやクラウド技術がそうであったように、変革をもたらす転換点であり、汎用技術(general pourposed technology: GPT)であると考えています。Google、Uber、Amazonなどの企業は、まったく新しい市場やカテゴリーを生み出しましたが、それはこれらの新しいイノベーションがあったからこそ可能となったのです。そこで私たちは考えました。AIだからこそ実現できる、新しいITサービス、ネットワークやセキュリティの管理方法とはどのようなものでしょうか?AIを活用して、AIなしでは不可能だった新しいビジネス価値をどのように創出できるでしょうか?

そこで明らかになったのは、これは単なる追加機能ではありえないということです。再考する必要がありました。

基盤の構築

構築を開始する前に、いくつかの根本的な問題に取り組む必要がありました。まず、AIシステムが真に役立つためには何が必要でしょうか? 答えは明白で、データです。しかし、生データだけでは十分ではありません。真の課題は、データの意味を理解することでした。つまり、さまざまなソースを結びつけ、適切に構造化し、AIが導き出した洞察が信頼に足るものとなるよう正確性を確保することです。これは、企業全体にわたる構造化データと非構造化データの両方に当てはまります。

次に、アーキテクチャの問題が浮上しました。AIモデルやツールは急速に進化しており、1年で時代遅れになるような単一のアプローチに縛られることは避けたいと考えました。そこで、重要な設計原則として「モジュール性」が導き出されました。Extreme Platform ONEは、新しいAIモデルに入れ替えたり最新の機械学習ツールを統合したり全面的な見直しをすることを必要とせずに、継続的にその能力を向上させることができるような方法で構築されることになりました。また、新しいデータソースやデータタイプにも柔軟かつ適応できるものでなければならないため、プラットフォームのAIコア内ではレイクハウスアプローチを採用することになりました。

バックエンドと同様に重要なのが、ユーザーがAIとどのようにやりとりするかという点でした。AIを強力にするだけでは十分ではなく、直感的に使えるものでなければなりませんでした。そこで、もう一つの設計原則が浮上しました。それは、ユーザー第一の統合です。AIのインタラクションモデルは、ITチームの既存のワークフローにシームレスに適合し、チームに馴染みのないシステムに適応させるのではなく、チームの業務を強化するものでなければなりませんでした。

つまり、統一されたインテリジェンスをコアに備えつつ、ユーザーのニーズに応えるために、相互作用するための複数の方法を提供するプラットフォームを構築することを意味しました。

急速に変化するAIの現状

会話型インタラクションモデルを搭載したAI Expertを構築するにあたり、最大の課題のひとつとなったのは、AI自体がかつてないほどの速さで進化していることでした。 基盤となるテクノロジーが絶えず変化していくことを認識しながら、安定性と拡張性を備えたシステムを構築する必要がありました。 私たちは、シンプルでありながら強力なアイデアから着手しました。「もし、ドキュメントと会話できたら? 」

AI Expertの最初のバージョンは、検索拡張生成(RAG)システムで、マニュアル、ナレッジベース、過去のインシデントレポートから洞察を引き出すように設計されていました。しかし、言語モデルだけでは十分ではないことがすぐに分かりました。AIが質の高い回答を提供するには、フリーテキスト検索だけでなく、構造化された知識が必要だったのです。

AIをリリースするタイミングを決定しなければならない時が、本当の試練でした。私たちは完璧を目指していたわけではありません。AIは本質的に確率論的なものであり、絶対的な正確さを追求すれば、リリースは永遠にできないでしょう。その代わり、品質と使いやすさの明確なベンチマークを設定しました。AI Expertがその目標を達成すると、私たちは技術プレビューの段階に移行し、実際のユーザーや全社員、信頼のおけるパートナーでAI Expertを試用し、現場での機能改善を行いました。

この過程で明らかになったことが1つあります。それは、モジュール式のアプローチが正しい判断であったということです。AI技術が進化するにつれ、より優れたモデルに交換し、プラットフォームを再構築することなくアプローチを調整することができました。AI Expertのアーキテクチャの柔軟性により、これは単に今日のための製品ではなく、AIキャンバスやその下にあるエージェンティックシステムにつながる継続的なイノベーションの基盤となることが確実になりました。

チャットのその先:エージェンティックAIの台頭

技術プレビューから得られた最も興味深い洞察のひとつは、会話だけでは十分ではないということでした。ユーザーはAIに単なる情報提供以上のことを求め、行動を起こすことを望んでいました。この認識が、AI ExpertとAIキャンバスを大きく進化させることにつながりました。AI Expertは、質問に答えるだけでなく、ライブネットワークデータとやりとりし、リアルタイムイベントを解釈し、インテリジェントな推奨を行う必要がありました。受動的な情報源から、ネットワーク運用における能動的な参加者へと変貌を遂げる必要がありました。

この変化は、ユーザーとAIの関わり方にも影響を与えました。当初、AI Expertは主に会話型の「チャットベース」のシステムとして機能していましたが、複雑なトラブルシューティングにはより構造化されたアプローチが必要であることが分かりました。そこで、キャンバスベースのモデルを導入し、ユーザーが問題を視覚化し、AIが生成したさまざまな洞察を生成・検証し、検索エンジンのようにAIに問い合わせるだけでなくAIと共同で意思決定を行うことを可能にしました。これにより、ユーザーは複雑なダッシュボードを構築し、IT部門以外にも共有して、社内の関係者全員が洞察を得られるようにすることもできます。

信頼と採用が拡大するにつれ、人間が関与するかどうかに関わらず、より多くのタスクが完全に自動化されるようになるでしょう。

ストリーミングデータとライブインサイトの役割

AIを、プラットフォームへのアドオンではなく組み込んだ理由のひとつは、ライブデータと連携する必要があったからです。AI主導の運用には、単なる履歴分析以上のものが必要であり、リアルタイムの認識が必要です。既存のネットワークツールにAIを後付けしようとすると、パフォーマンスのボトルネックが生じ、断片的な洞察しか得られなくなります。 その代わり、私たちはストリーミングデータをベースレイヤーで処理し、リアルタイム分析を後付けではなく基礎的な機能として扱うように設計しました。

この決定により、AIはイベントが発生したときにそれを処理し、即座に推奨を提供し、適切な場合には応答を自動化できるようになりました。 その結果、問題を診断するだけでなく、問題が拡大する前に予測し、防止できるシステムが実現しました。

DIYから戦略的パートナーシップへ

開発プロセスの初期段階では、すべてを自分たちで構築するつもりでした。しかし、規模が拡大するにつれ、業界のリーダー企業が実施しているAI研究を再構築することではなく、差別化こそが当社の専門性であることが明らかになりました。

そのため、基礎となるモデル開発とAIの安全性とセキュリティのために、マイクロソフトのAIサービスを活用するという戦略的決定を下しました。その一方で、当社のソリューションを独自のものにするために、Extreme Networksのエコシステムとの深い統合とリアルタイムの運用インテリジェンスに注力しました。

このパートナーシップにより、当社は時代の先端を走り続けながら、本当に重要なことに開発努力を集中させることができました。つまり、ゼロからモデルを構築することに時間を費やすのではなく、お客様に価値を提供することに集中することができたのです。

学んだ教訓:メタデータがすべて

非常に精度の高いAIシステムを構築する過程で得られた最も意外な洞察のひとつは、メタデータの重要性でした。AIは、構造化データソースと非構造化データソースの両方に適用される高品質なメタデータにアクセスできると、飛躍的に優れたパフォーマンスを発揮します。この認識は、製品開発への取り組み方を変えました。メタデータを後付けで処理するのではなく、開発プロセス自体にAIを組み込み、データが作成された瞬間から、適切にタグ付けされ構造化されるようにしました。AIは単なる業務ツールではなく、組織全体にわたるデータ・メッシュ・アーキテクチャから着想を得て、ドキュメントからネットワーク分析まであらゆるものを改善する、部門横断的な資産となりました。

次のステップ

AIの進化が続く中、当社は最新のイノベーションをシームレスに統合できる立場にあります。このため、Extreme Platform ONEは単なる製品ではなく、進化するプラットフォームなのです。

より高度な自動化からさらに洗練されたリアルタイムインテリジェンスまで、ネットワークおよびセキュリティ運用におけるAIの可能性はまだほんの一部に過ぎません。当社が構築した基盤は、ITチームが環境を管理する方法に適応し、拡大し、再定義し続けることを確実にします。

そして何よりも重要なのは、AIを適切に活用すれば、つまり、後付けの機能としてではなく、テクノロジーへのアプローチを根本的に変えるものとして活用すれば、あらゆるものを変革する力があるという証明です。

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Justin Hurst
Chief Technology Officer, APAC

Justin Hurst is the CTO, APAC for Extreme Networks, where he is responsible for guiding the technical vision for the Extreme platform in the APAC region.

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